2021
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ストーリーで目的を考える
ストーリーは、「課題」⇒「目的」⇒「効果」の流れで組み立てていきます。
現状に「課題」があるからこそ、それを解決するための「目的」が設定できます。「目的」があるからこそ、それを具体化した「効果」は価値の高いものとなります。
企画において、このストーリーの中心は何といっても「目的」です。目的が未来を方向づけします。「目的」がずれてしまうと、どんなに素晴らしい効果を得られたとしても自社に貢献できません。企画者の自己満足で終わってしまいます。
目的は、単純に課題と1対1で対応させるのではなく、一段高いところから解決方針を示すことが重要です。「部分最適」ではなく「全体最適」の観点です。細かい解決策は、根本的解決の足かせとなってしまうことがあります。
例えば「システム操作に長時間かかる」という課題に対して、「操作時間を短縮する」は部分最適で、「操作自体を不要にする」という発想、さらにはその一段上の「その部門の業務を簡潔化する」や根本的な課題に対する「残業代の抑止」「アウトソーシングして本業への注力」などが全体最適になっていきます。
システムによる解決に固執せずに、大きな視点で目的を設定していきます。その次に、その目的を具体的に効果として落とし込んでいきます。
目的をキーワードから考えてみる
現状の「課題」や「経営戦略」、今後の「重点テーマ」などからうまく目的が浮かび上がればいいですが、悩んでしまうケースはよくあります。このような場合は、視点を変えて、他の切り口から考えてみるとよいでしょう。
以下はシステム導入の目的となりうるキーワードを挙げています。目的を考える際の参考にしてみてください。
(戦略)
新規事業参入、事業拡大、利用ユーザー拡大、新商品開発、顧客へのサービス提供方法の変更(サブスクリプション化など)、売上拡大、受注率の向上、他社とのコア業務の差別化、お客様満足度の向上、上場するための内部統制の確立、プラットフォーム構築
(業務)
制度改正への対応、属人化の排除、業務の標準化、業務フローの改善、業務の合理化・集約、事務コストの削減、多重入力の排除、入力ミスの排除、ペーパレス化、承認ワークフローのシステム化、コンプライアンス対応、アウトソーシング、社員の満足度向上、社員の離職率低減
(時間)
サービスのオンデマンド化、納期の短縮、リードタイム短縮、情報のリアルタイム共有、締め処理の早期化、決算処理の早期化
(費用)
人件費の抑止、残業代の削減、外注費の削減、システム保守費用の削減、ライセンス費用の削減、通信費の削減
(システム)
データの一元管理、システム障害の予防対応、システム操作性の向上、パフォーマンス向上、老朽化に伴う刷新、保守サポート切れへの対応、システム間連携の強化、システム停止リスクの対応、セキュリティの強化、情報漏洩の対策、システム統合対応、クラウド対応(自社サーバー運用廃止)、マルチデバイス(スマートフォン、タブレット等)活用、新技術の採用