2022
5/12
RFPの前にNDAを交わす
NDAとは、秘密保持契約(Non-Disclosure Agreement)のこと。「取引の当事者間で開示される情報を第三者に開示や漏えい等をしないこと」を約束するものです。
一般的にシステムを導入する際は、スクラッチやパッケージに関わらず、必ずNDAを締結します。それは、システムと業務は密接にかかわっているからです。自社の業務情報をシステムに移植する際に多くの「秘密情報」「非公開情報」をベンダーが参照できてしまいます。
それら情報を下手に利用されても困るし、今まで培ってきたノウハウを勝手に競合他社に流されると、会社の業績や存続にかかわります。
システム導入経験のある方は、NDAの手続きを経験した人は多いと思います。
一方で、RFPをベンダーに提示する場合は、このタイミングでの締結となります。なぜなら、RFPで自社の現状を「包み隠さず」さらけ出すことになるからです。業務フローや自社の抱える課題、システム化方針など「秘密情報」だらけです。
選定の結果、落選となったベンダーがRFPの情報を悪用しないとも限りません。
面倒ではありますが、RFPを3社~5社に出すなら、そのベンダー全てとNDAを結ぶことになります。
このNDAは「面倒な手続き」というハードルがあるからこそ、そのハードルを乗り越えたベンダーは、提案への強い意志を再確認できます。
お互いの「真剣勝負の場」をつくると考えれば、選定においてはプラスとなります。NDAは必要なプロセスと捉えてください。
NDAのフォーマットはどちらに合わせるべきか?
NDAのフォーマットは、自社とベンダーとどちらに合わせても構いません。
自社にフォーマットがない場合は、ベンダーのフォーマットに合わせればいい。
ただ、自社にフォーマットがある場合は、なるべく自社フォーマットに合わせるよう、ベンダーと調整します。契約書はどの種類もそうですが、作った側の「都合」に合わせて書いてあります。
裏を返せば、他方(作っていない側)に都合の悪い内容で書かれています。
変にベンダーフォーマットに合わせてしまうと、ベンダー都合での契約となってしまいます。そうならないように「リーガルチェック」をして、不都合な箇所は修正するわけですが、その調整にかなりの手間と時間がかかってしまいます。これが複数のベンダーでそれぞれ異なるフォーマットになるため、非常に大変です。
NDAは書いてある内容は限定的なので、どの会社もそこまで内容は変わりません。「準委任契約」や「請負契約」ほど複雑ではありません。そのため、ベンダーもそこまで強いこだわりをもって自分たちのNDAを押し通すほどのことはしてきません。
よって、自社の手間を減らし、契約内容のリスクを減らすという観点から、NDAはなるべく自社フォーマットで締結するよう交渉しましょう。
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